テニスの王子様

□テニス馬鹿
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「いってぇ…」



締め付けるような頭の痛みに、無意識に顔が歪み、
思わず、その場で壁に手をつき、しゃがみこんだ。



…その時だった。



「大丈夫か?」



頭に響くことの無い、優しい声が聞こえたかと思うと、
ゆっくりとした手つきで背中をさすられ。



声のした方へ視線を向ければ、そこには跡部がいて。
俺と同じ目線の高さになるよう、しゃがみこんでくれていた。



「景吾…」
「吐いたか?」
「ん…」



俺の様子と、地面に滴る数滴の胃液に、
跡部の眉間には皺が寄せられ。
その表情に、流石の俺も、少しばかりの罪悪感が浮かんだ。
跡部の事だ、口には出さないが、俺が体調不良なことに気付いて、
こっそりと心配してくれていたに違いない。
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