テニスの王子様
□心を閉ざした5題
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5.ケアテイカー(忍足)
氷帝学園に入学し、テニス部に入部してからというもの、
がっくんやジローの面倒を見るんは、俺の役目やった。
いつからそうなったんかな…なんて、考えるだけ無駄や。
きっと、出逢ったその時、その瞬間から、
この関係性は決まっていたに違いない。
良く言えば、純粋で素直な二人とは対照的に、
どちらかと言えば、冷静で、大人びた俺。
間違っても、俺が二人に面倒見られるとか、ありえへん。
別に、今の関係性が気に食わんわけやないし、
二人が困ってたり、可哀想に感じた時なんかは、
俺がなんとかしてやらなあかんと思う。
助けられるんなら、助けたいっちゅーのが本心や。
せやけど、俺はな…
逆に言えば、誰かに面倒見てもらったことがないねん。
いつも、面倒見る側やから。
人の世話焼いて。 喧嘩とかしとるんならなだめて。
そんだけ尽くしとっても、俺自身の面倒は、誰からも見てもらえへん。
まぁ、もう中三やし、面倒見てもらうとか、
すでに諦めの境地に入っとるんやけど、
それでも…いつかは、気緩めて誰かに身を任せてみたいもんや。
ま、無理なんやろうけど。
(お世話焼き / なだめ役)
→あとがき。