テニスの王子様
□マドンナ
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「自分何しとんねん!」
「仕方ねぇだろ、これは反則だ!」
「せやけど、やって許されるもんと許されんもんがあるんや!」
「ならお前は、同じ状況で我慢出来んのかよ!」
「無理や!」
「なんだよその即答は!」
「…煩い」
現在、正レギュラー部室でギャーギャー騒いでいるのは、
普段は声を荒げる姿など見ることのない、跡部と忍足である。
そして、その二人に対して、煩いと呟いたのは、
部室にある机で居眠りから目覚めたばかりの宍戸である。
跡部と忍足が何についてここまで騒いでいるのか。
宍戸には分かるはずもなかったが、
とにかく、煩くて仕方が無い。
しかし、そんな宍戸の気持ちとは裏腹に、
跡部と忍足は言い合いを続けている。
「誰かて、あの顔は耐えられん、耐えられんけど…
そこは我慢すべきや!」
「てめぇだって出来ねぇんだろうが!」
「それとこれとは別や、俺はまだヤってないもん!」
「同じ状況ならヤってんだろ!」
「仕方ないやん、俺らのマドンナやもん!」
「…ねぇ、2人して何怒鳴ってんの」