テニスの王子様
□跡部様の初体験
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「形にこだわるわけじゃねぇけどよ、
やっぱり恋人同士っていったら、
プリクラの一度や二度、撮ってるもんだろ?」
「そ、そうか…?」
普段の跡部では考えられないくらいの歯切れの悪さに、
宍戸は首を傾げる。 そして、一つの答えに辿り着く。
「もしかして…プリクラ撮ったことねぇの?」
宍戸の問い掛けに、跡部は顔を歪める。
跡部のあまりにも分かりやすい反応に、
宍戸はニカッと笑いながら、「そっかー」と返した。
向日や芥川であれば、この場合、
「え、跡部もしかしてプリクラ…跡部様ともあろうお前が?」
と、馬鹿にして大笑いするに違いない。
しかし、宍戸は違う。
いわゆる【庶民】が知っていて当然のことを跡部が知らずとも、
馬鹿にしたことは昔から一度も無かった。