テニスの王子様
□誕生石12のお題企画
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8月.カーネリアン[紅玉髄](月大)
「隣、いいですか」
一人で座っている越知に声を掛けてきたのは、
元青学の部長・大和である。
「あぁ」と、越知のぶっきらぼうな返答を聞き、
大和はふわりとした笑顔で「有難う御座います」と言いつつ、
越知の隣に腰掛けた。
「後輩の指導というものは、いくつになっても難しいものですね」
「なんだ、急に」
「君にもいるでしょう? 大事な後輩部長が」
大和の言葉に、越知は、大和が言わんとしていることに気付く。
今、中学テニス界は、全国大会真っ只中。
その全国大会には、大和と越知の元中テニス部も出場している。
「先輩である以上、後輩を導くのが俺達の役目だ」
「違いないですね、僕もそう思います」
「俺もお前も、自分達のやり方で、あいつらを導いてやればいい」
大和に語り掛ける越知の表情が、珍しく笑顔であった為、
大和は、少し驚きながらも、「そうですね」と、返したのだった。
この二人が、お互いが目を掛けている現3年部長と
Jr.選抜合宿中に対戦するのは、また別の話。
(仕事を成功へ導く)
→9月.サファイア[青玉](白ユ)