テニスの王子様
□誕生石12のお題企画
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9月.サファイア[青玉](白ユ)
「んぅ〜、絶頂!」
夜空に白石…ではなく、ユウジの声が響き渡る。
その声は、誰もが白石と勘違いしてしまう程の
ハイレベルなモノマネであり、ユウジにしか出来ない芸当だ。
「なんや、また完成度上がったんとちゃうん?」
その声に、本物の白石が反応を示せば、
ユウジは得意げに「せやろせやろー!」と、笑みを浮かべ、
その表情につられて、白石も笑みを浮かべた。
今日は十五夜。
現在二人は、屋根上でお月見だんごを頬張りながら、月見中である。
「せやけど、今のやと、優雅さが足りひんわ」
「ゆ、優雅さ…?」
「あと、聡明さ! なんや、アホっぽいやん」
「アホは褒め言葉やん」
「そういう意味ちゃうわ、確かに褒め言葉やけど」
二人はただ会話をしているだけなのだが、
はたから見れば、まるでコントである。
流石関西人、会話のテンポも速い。
「とにかく! もっと聡明さと優雅さを極めるんや!
この俺になりきるんならな!」
「えぇー」
「なんやねん! なんで、んな不満たらたらやねん!」
「ははっ」
「納得いかんわぁ」とむくれる白石の横で、
ユウジは笑い流しながらも、頭の中で
「もっとこうしたら、白石の言う聡明さと優雅さが出るんかなぁ」
などと、次のモノマネについて考えていた。
(聡明さ・優雅さを高める)
→10月.オパール[蛋白石](手不)