テニスの王子様
□起こし王子
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ちなみに、俺のふけ場が部室と知っているのは、
レギュラーの中でも跡部だけだ。
そもそも、部長でもなんでもない俺が
昼休みに誰に頼るでもなく部室に入ることが出来るのは、
跡部がこっそり合鍵を渡してくれているからだ。
つまり、部室をふけ場として使っていることは、
他者には秘密ってわけだ。
その為、跡部は決まって一人で俺を捜しに来る。
まぁ、俺だって、折角の跡部との時間も睡眠時間も
他者に邪魔されたいわけじゃねぇし、それでいいんだけどな。
そんなことを考えながら狸寝入りをしている俺の体に、
跡部がふわり…と、ブランケットをかけてくれる。
この瞬間が、俺は結構好きだ。
跡部に大事にされてる感じがするから。
寝入る前に自分でブランケットの一つくらい、
かけることだって出来るけどよ。
俺が授業をふける時って、自分で言うのもなんだけど、
相当疲れが溜まっていて眠い時なわけよ。
このまま授業を受け続けていたら、放課後の部活中睡魔に襲われてしまう。
そう判断した時、俺は迷うことなく授業をふける。
勉強は学生の本分なわけだから、まぁ、授業も大事なわけだが、
俺にとっては、跡部と出来るテニスの時間が何よりも大事だからな。