テニスの王子様

□跡部君♪
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俺の脳内には「またか…」という言葉が浮かんでいた。
ジローの奴は、居ないと思えば、必ずと言って良い程、
何処かで眠りこけていることが多い。



コートに入っていく二人の背中に
「分かった、ありがとな」と、声を掛ければ、
鳳が「いえ」と、笑顔で返してきた。



とりあえず、サボっているのであれば、連れ戻して来なければならない。
俺は、コートの外に足を向けることにした。



ジローが昼寝場所に使用する場所は限られている。
草むらのぽかぽかと暖かい日なたか、
涼しく快適な木陰のどちらかだ。
更に、今日は少し冷えることから、日なたへと目星をつける。



「ったく…部活もしねぇで、何やってんだ」



ジローの眠り癖には、昔から困らされ続けている。
授業中だろうが、食事中だろうが、部活中だろうが、
いつ何時も寝ていられるジローが、
俺には不思議でならない。



しかも、起きていたら起きていたで、あのテンション、あの喋りよう。
普段のぼーっとした目が嘘のように、その目はパッチリと開かれ、
発せられる言葉の語尾はアルファベット。
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