テニスの王子様

□跡部君♪
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「…?」



今は、放課後の部活中。
氷帝学園中テニス部・部長の俺は、
正レギュラー専用コートを見回し、
一つの疑問を抱いた。



そう、足りないのだ。
ここにいるべき、一人の人間が。



「おい、宍戸」
「あ? なんだよ」



近くでは、鳳と宍戸がダブルスのフォーメーションについて話し合っている。
その会話を断ち切るように宍戸に声を掛ければ、
少々不機嫌な声色で返事がきた。



しかし、今はそんなことを気にしている場合ではない。
宍戸のご機嫌をとるよりも、大事なことがある。



「ジローの奴は何処行きやがった」



俺の質問に、二人は数秒顔を見合わせ、
苦い表情を浮かべながら首を捻った。



「ジロー先輩、ですか?」
「ジローなら…また、どっかで寝てんじゃねぇか?」



「じゃ、練習戻るな」と言い残し、二人はコートに入っていった。
宍戸の答えは、憶測ではあるが、ジローのことだ。
十中八九正解に決まっている。
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