テニスの王子様

□誤解の手紙
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「そ、そうか」



岳人の発言に、宍戸は若干顔を引き攣らせる。
忍足等と違い、宍戸は色恋沙汰が得意な方ではない。
ならば、得意な忍足に相談をすれば…
と、思わなくもないが、岳人の相談内容に忍足本人が関わっている以上、
その手を使うことは出来ない。



「それで、その時の告白内容を考えて欲しいんだ!」
「はぁ?!なんで俺が…!」



と、岳人が放った突然の変化球に、宍戸は我に返る。
岳人も忍足も男同士。
その上で、どう告白すべきか。
受け入れて貰えた場合、どう付き合っていくべきか…
そんな相談内容であろうと勝手に予想していたのだが、
「告白内容を考えてくれ」なんて相談がきたのだ。
流石の宍戸も、斜め上過ぎる岳人の相談に、驚きを隠せなかった。



「宍戸だけが頼りなんだ!」



両手をブンブンと、大きく縦に振りながら、
岳人は眩しい程の笑顔で言い放った。
「宍戸だけが」と。



この言葉は、岳人の本心でもあり、
宍戸を頷かせる為の押しの言葉でもある。
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