テニスの王子様

□誤解の手紙
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「宍戸!」



放課後の練習終わり。
ボールを片付けていた宍戸の背中に、
岳人が声を掛けた。



「ん?」
「ちょっと頼みがあってよ!」



そっけなくも、返事をした宍戸に向かって、
岳人が走り寄ってくる。
しかし、その表情は、冴えたものではない。
岳人本人も、声を掛けて近寄って来たは良いものの、
【頼み事】とやらを言うのを躊躇っているようだ。



「なんだよ、岳人?」



悩みでもあるのか?
何にせよ、話を聞いてみないことには、何も分からない。
宍戸は、岳人が話しやすいよう、問いかけてみた。



厳しく、人当りが強いイメージの宍戸だが、
誰よりも仲間を大事にする人でもある。
頼みがある、と言われては、放ってはおけないタイプだ。



「実は…俺…今度侑士に告るんだ…」



岳人は、どもりながらも、
宍戸以外の人には聞こえないように、
小声で話し始めた。
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