テニスの王子様

□無防備なきみに恋をする5題
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4.きみの心に触れさせて(忍跡)





学校内に居ようと。
テニスコートに居ようと。
街に居ようと。



景ちゃんの周りに人だかりが無い時は無い。
俺だって負けず劣らず…
と、言いたい所やけど、流石に完敗や。



そんな景ちゃんは、人前で本心を曝け出すことは無い。
まぁ、周囲からの期待が大きいと、大変やんな。
少し失敗したり、出来なかっただけで、一気に失望される。



周囲が勝手に期待しとる。
と、言ってしまえばそれまでやけど、
期待されとる本人は、それに応える為に必死や。



そんな景ちゃんが、唯一無防備になる瞬間がある。



俺と二人っきりで部屋に居るときや。



ここ、部屋ってのがミソやねん。
部室とかやと、何時誰が来るか分からんやろ?
せやから、結局は気ぃ張っとんねん。



あの、俺様何様跡部様な景ちゃんが、俺にだけは素を曝け出してくれとる。
それが、何よりも嬉しくて堪らんのや。



「今日も可愛いで、景ちゃん」
「バーカ」



他の誰かに曝け出す必要なんてない。
俺だけに、本当のお前を曝け出してーな。





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