テニスの王子様

□無防備なきみに恋をする5題
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3.無意識のゼロセンチ(千部)





にゃー



跡部くんの手元から、猫の鳴き声。
跡部くん家って、やっぱ凄いのよ。
ペットも色々いるの。



で。実は跡部くんは動物大好きなわけで。
今みたいに、飼っている子達と遊んでる時がよくある。



家の外でも、散歩してる犬とか、動物を見付けたら、
周りにバレないように目で追ってるの、俺は知ってる。



でもさぁ。跡部くん?
今は君の部屋に、俺もいるわけよ。
折角家にお呼ばれしたのに、構って貰えなくて、
俺ってば、ちょびっとアンラッキー?



じとー…っと跡部くん(と、猫)を見やれば、
俺の視線に気付いた跡部くんが、猫から顔を上げた。



絡み合う、視線。



「お前も触るか?」



触りたいならそう言えって。



俺の予想とは斜め上の言葉と共に、手元の猫を差し出してきた。



違う、そうじゃない。なんか違うよ、跡部くん。



でも、猫を渡してくる跡部くんの笑顔がとっても綺麗だから。



「うん、俺ってば、やっぱりラッキー!」
「…?何言ってんだ?」



どや顔しながら俺の腕に飛び込んでくる猫に、
沢山の嫉妬と感謝の気持ちを込めて。
その顎をごろごろと撫でてやった。





→4.きみの心に触れさせて(忍跡)
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