テニスの王子様
□長髪
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跡部と宍戸が初めて会った時、宍戸はすでに長髪だった。
その為、現在も伸ばしている理由が自分だとは思っていなかったのだ。
何故伸ばしているのかと聞いたこともあったが、
「俺が伸ばしたいと思ってるから伸ばしてんだ、文句あるか」
と宍戸が答えていた為、それ以上疑問を抱いたこともなかった。
別に男が長髪でいけないなんて決まりはないし、
宍戸に限っては長髪が似合っているから尚更だ。
「だって…最初の頃は母さんが勝手に伸ばしてただけだったけど、
今はお前がいるだろ…?街中並んで歩いてる時とか、
この方が周りの目が自然でお前もいいだろうなぁって…」
宍戸がそっぽを向きながら、ボソボソとそう答えた。
その言葉に、跡部は自分が自然とニヤけてきているのを実感した。
だって、嬉しくて仕方がないのだ。
というより、可愛いことを言うなぁといった感じか。
跡部は宍戸の頭をガッシガシと掻き回してやった。
「ちょ、おま、何すんだよ…!」
「こっち向け。まさかお前がそんな可愛いこと
考えていたなんて思いもしなかったぜ」
「…か、可愛いことで悪かったな…!」
「悪いなんて言ってねぇ。俺様は嬉しいんだよ、亮」
でも、俺は短い髪の亮だって好きだし、並んで街中歩けるぜ?
そう言えば、宍戸は顔を真っ赤にしながら跡部を肘でつつくのだった。
End.
→あとがき。