テニスの王子様

□跡部王国
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「なぁ跡部〜」



2人で散歩中、宍戸が突然跡部の名を呼んだ。



今はU-17合宿中であるが、レギュラーコートで再び共に
練習に励むようになった2人は休憩時間中よく一緒にいた。
勿論決まりごとではなく、自然とである。



そして、今も休憩時間であり、2人で合宿所付近を散歩していたのである。



「どうした?」



名を呼ばれた跡部は、隣を歩く宍戸に目を向ける。
身長3cmしか変わらないので、見下ろすことはないが、
目線を合わせる為に少しだけ下を向く。
その動きに合わせて、宍戸も少し目線を上げる。



「跡部の新しい技って"跡部王国"だよな?」
「あぁ、俺様の"インサイト"を極めた技だ」



"跡部王国"とは、相手の弱点を見極める"インサイト"を更に極め、
相手の骨格までをも見て弱点を突く技である。
勿論、"インサイト"と"跡部王国"の間に、相手の死角を突く
"氷の世界"があることを忘れてはいけない。



「王国ってことは、住民はいるのか?」
「…あーん…?」



宍戸の突然の質問に、跡部は目を少し見開いて聞き返した。
王国とはいえ、ただの技名。住民などいるはずがない。
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