氷帝嵐

□発熱
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「あれ…?」

部活に行くと、いつもいるはずの宍戸さんがいなかった。
あのジロー先輩までちゃんといるのに、
俺の大切な宍戸さんが…!

「跡部先輩〜、宍戸さんは〜?」
「…鳳、そのやる気の無さは何だ」
「宍戸さ〜ん!」
「…うるせぇ」

思わず愛しい宍戸さんの名を叫べば、
不機嫌な跡部先輩。

「宍戸なら家だぜ」
「へ?家?」
「そ。家」

…家?なんで?

「なんか、熱出したらしいぜ」

確か、38度5分くらいだったか。

「ね、熱ー?!
 跡部先輩、宍戸さんは、宍戸さんは…!」
「だぁーうるせぇ!!
 んなに気になんなら帰り見舞いにでも
 行きゃあいいじゃねぇか!」
「当たり前じゃないですか!
 すぐに部活終わらせて行きますよ!
 となれば、すぐ部活を終わらせましょう!」
「部活終了時間は変わらねぇよ…」

付き合ってらんねぇ。

ぼそりと呟いた跡部先輩は見なかったことにして、
ジロー先輩の元へ走って行く。

「ジロー先輩、一緒にストレッチしましょ」
「あら、チョタじゃない。
Eよ、やろ〜♪」

1人で眠そうに目を擦っていた
ジロー先輩は、ニコリと微笑んだ。

けれど、練習中俺の頭から
宍戸さんが離れることはなくて。

『宍戸さん…大丈夫なのかな…』
「チョタ〜、俺は無視なの?』
「あ、いえいえ」
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