ジャンル混合

□純潔に悲しく輝く下で不信用と信用の激動が渦巻くティキラビ
2ページ/4ページ

1.INNOCENT SORROW





「ん、ティキ…」
「ラビ…」



ラビと身体を重ね逢わせながら、口も深く繋がる。
くちゅ…と絡み合う音が部屋中に響く度、
ラビの口からは「んぁ…」と、甘い声が零れる。



そんな音、声を聴けば聴くほど、
オレもラビも、醒めない熱に魘され続けていく。



「ティキ、手、触って」
「こうか?」



唐突に俺の目の前に翳されたラビの掌を
指が絡むように包み込めば、
ラビは安心したようにやんわりと微笑んだ。



「今日は甘えたか?」
「甘えたっつーか、くっついてたい気分なんさ」
「それを甘えたって言うんじゃねぇの」



くつくつ笑ってやれば、ラビは恥ずかしそうにそっぽを向いた。
そんな行動も、表情も、何もかもが愛おしい。



思わず、ラビの身体を壊れそうなほど強く抱きしめた…
そうしたら、細かく震えているのが伝わってきて。



「どうしたラビ、もしかして泣いてんのか?」
「な、泣いてねぇさ!」
「泣くなよ、大丈夫だから」



あぁ、そうだった。
ラビが「甘えた」な時は、現実にぶつかってしまった時だ。



オレと居たい、今の「仲間」と一緒に居たい、
ブックマンを継ぐ為に頑張りたい…



純潔故に、砂のように零れ堕ちてしまう儚い願いの数々を
全て満たすことなど出来ないのだと気づくが、それでも、
どれかを捨てることなんて出来ない…そんな時だ。



「もっと強く、オレの掌に触れてろよ…
 オレが必ず、ラビを悲しみから救ってやるから」



仮に、今のオレでは君を救えないのだとしても。
きっとオレにとって、君と出会えたのは、
ずっと探していた色褪せない「奇跡」だから。



「いつか生まれ変わるときには、必ず」



熱に魘されたままのラビには聴こえないように、
最後の声を発しながら、オレはもう一度深く口付けた。





(純潔で悲しい)





→2.Brightdown
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ