ジャンル混合

□片恋ゆえに拒否をする5題
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5.期待させないで





「もう、カカシったら照れ屋なんだから」
「別に何も照れてないですよ」
「またまたぁ」



オレに置いていかれていたのは一瞬で。
先生は何事もないかのようにオレの隣に並んで歩き始めた。



「もうちょっと子どもらしく、素直になればいいのに」
「忍にそれ、言います?」
「わぁ、手厳しいね、カカシくん」
「馬鹿にしてるでしょ」



オレがこの班で誰よりも忍の掟を大事にしていること。
先生だって知ってるでしょ。



「そうだカカシ、今日任務終わりに時間ある?」



ふと、今思い出したかのように、先生が小首を傾げながらきいてきた。
何故傾げる、可愛さアピールですか?



狙ってやってるのだとしたら、とてもあざとい。
オレがそういう些細な仕草にも弱いことなんて知らないだろうし、
意図的じゃあないんだろうけど。



「ありますけど、なにか?」



どちらかと言うと、「時間がある」ではなく、
「先生の為なら、たとえ用事があっても時間を作る」が正しいが。



「良かった、皆でバーベキューしようと思ってたんだ!」



「勿論カカシも参加してくれるよね!」なんて、
満面の笑みで言う先生に、また深いため息が零れた。
【皆】ね…



「カカシ?」
「はいはい、参加させて頂きますよ」



あぁ、少しでも「2人で」を期待したオレが馬鹿だった。
妙な期待をしてしまう言葉なんて、気安くかけないで欲しい。





(優しい言葉でオレを期待させないで)





→あとがき。
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