ジャンル混合
□片恋ゆえに拒否をする5題
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4.名前を呼ばないで
「先生、オレとリンの方は終わったぞ」
「ん! オレとカカシも終わったよ」
少し遠くから聞こえたオビトの声に、
先生も笑顔で返事をした。
さらっとオレの分まで返事するんだから、
出来た大人だ。
「カカシ、あっちで皆と合流しようか」
「疲れてるなら、手繋いであげるよ」と
冗談めかして差し出された手に、
オレは思わずため息をついた。
なんて笑えない冗談…
本当は繋ぎたい手をガン無視して、
オレは一人オビト達の方へ歩き始めた。
「ちょ、ちょっとカカシ、
無視はないんじゃない?!
ねぇ、カカシってばーっ!」
先生の困り声が後ろからするけれど、
オレはひたすら無視をし続けた。
たかだか無視されたくらいで、
そう何度もオレの名前を呼ばないで欲しい。
先生に呼ばれるだけで、
オレは喜んでしまうのだから。
(その声でオレの名前を呼ばないで)
→5.期待させないで