ジャンル混合
□片恋ゆえに拒否をする5題
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2.触らないで
「ふぅ…」
今日の任務は、久しぶりに畑仕事の手伝い。
下忍ならともかく、中忍までいけば
こういった任務は基本受けないが、
一つ前が大変だったとしたら、話は別。
忍にだって休息は必要だし、
ずっと高ランクの任務ばかりでは疲れてしまう。
「カカシー」
ふと声がしたほうに顔を向ければ、
先生がオレに向かって手招きをしていた。
「なんですか?」
自分の割振箇所も一段落ついたところで、
「早く早く」と急かす先生のもとへ歩み寄る。
そして、先生の手の届く範囲まで近付いたとき。
突然、先生の手がオレの髪を撫でた。
「ちょ、先生?!」
驚きに身を引いたけど、先生は満足そうに微笑んで
「土がついててね…
折角綺麗な銀髪なのに、汚れちゃ勿体無いから」
さらりと言ってのけた。
どうしてこの人は、あっさり人に触れて、
恥ずかしいことをさらっと言うのだろう。
期待しかける自分が馬鹿みたいだ。
(そんなに優しくオレに触らないで)
→3.見つめないで