ジャンル混合
□特異能力
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「お初にお目にかかります、ブックマンJr.」
俺の声に反応し、赤髪の青年はこちらへと振り向き。
俺の姿を確認した途端、眉間に深い皺を寄せた。
「あんた誰」
「Noahの一族、ティキ・ミック卿」
「何しに来たんさ」
「少し、君の事を知りに」
そう、これは…君へのスカウトだよ。
「俺の事、ねぇ…別に、俺のことくらい、好きなだけ教えてやるさ」
「それはどうも。 じゃあさ、君が持ってるってゆう、特異能力を教えてよ」
俺が【特異能力】という言葉を発したその時。
青年の表情は変わらなかったが、僅かに瞳が揺らいだことを、俺は見逃さなかった。
だが、その揺らぎはすぐに止まり、瞳の下にある口は、あっさりと言葉を紡いだ。