ジャンル混合
□毒舌の裏
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「多由也って、好きな奴とかいんのかな？」
鬼童丸は、左近と次郎坊に向かって、ぼそりと呟いた。
その言葉に、左近は「いかにもつまらない話題だ」
とばかりに、両手を上げた。
「あいつ、一応彼氏いんだろ？ 好きなんじゃねぇの。
あんな奴でも、ちゃんと女だしさ」
「左近、あんな奴とは失礼だぞ。 確かに言葉遣いはとてつもなく悪いが」
「はいはい。 それでよ「多由也彼氏いんの？！」」
別の話題を…と口を開けた左近を無視して、
鬼童丸は、自分だけ知らなかった事実に驚愕する。
今まで、多由也に彼氏がいるなどという雰囲気は何一つ無かった。
その為、当然のように独り身だと思っていたのだ。
ところがどうだ。 左近の話では、しっかりと彼氏がいるそうではないか。
はたして、彼女のような女を相手に出来る男とはどんな男なのだろう？