ジャンル混合

□エイプリルフール
1ページ/2ページ




「カカシ、今日は修行みてあげられないや」



ミナトからの突然の声掛けに、カカシは驚きから「えっ?!」と声をあげた。



「だ、だって、今日は修行見てくれるって、昨日…!」



そう、二人は前日に約束をしていたのだ。
カカシの修行に、ミナトも付き合うと。
それを、当日になって突然断られた為、カカシは驚いたわけだが、
そんなカカシの様子を見て、ミナトは純粋な子どものように笑い出した。



「あはは、そんな驚いてくれるなんて、カカシも人の子だねぇ。
 嘘だよ、嘘。 じょーだん」
「…え?」
「さて、カカシくん。
 今日はなんの日でしょーか?」



ミナトの言葉に、カカシは状況を理解し、大きな溜め息を吐いた。



「エイプリルフール、ですか…?」
「ん、正解!」



カカシの答えに、ミナトはパチパチと拍手を送った。
今日は4月1日。
年に一度、人を困らせない程度の嘘をついて良い日である。



「嘘は嘘でも、約束を破る嘘は駄目なんですよ」
「え、そうなの?!」
「酷いですよ、オレ、楽しみにしてたのに…先生なんて嫌いです」



俯きながら、小さく告げられたカカシの言葉に、ミナトの顔色がサッ…と青ざめる。
カカシを困らせるつもりも、ましてや、嫌われるつもりもなかったのだ。
おろおろとしながら、「ご、ごめんねカカシ」と謝るミナトの様子に、
今度はカカシが笑い出した。



「嘘ですよ、嘘。 じょーだんです」
「…え、嘘?」
「先生のこと、嫌いだなんて、嘘ですよ」



カカシから告げられた言葉に、ミナトは目を丸くし。
「それってつまり、オレが好きってことだよね?」と問えば、
カカシの顔色はサッ…と赤らんだ。





End.





→あとがき。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ