ジャンル混合
□リストカット
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「ラビ…またやったのか？」
血で赤く染まったオレの手首をそっと掴んで、呟くようにティキは言った。
そう、俺は…またやっちまったんさ。
リストカットを。
「こんなことばっかして…なんか辛い事あるんだろ？」
「いや…」
「じゃなきゃ、こんなことしないだろ…？」
「…別に、大丈夫だから…」
ティキの質問に、きちんと答える事が出来ない。
「別に」とか、「大丈夫」とか、
取り繕う形の返答しか、口は発してくれない。
辛い事…？ あるよ、そりゃあ…。
でも、それを…ティキには言えないさ。
辛いのは…敵同士というオレ達の関係だから。
いつ終わってもおかしくないこんな関係…
そう考えただけで、胸が締め付けられる。
大好きなティキと離れてしまうくらいなら…
と、傷つけたくなる欲求を止める事が出来ない結果、
幾度となく、手首を切ってしまう。
そのことが、結果的にティキを悲しませると分かってはいるが、
オレは止める術を知らなくて。
どうしたらいいのか…オレだってよく分からないんさ。