ジャンル混合
□大好きだよ
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「ねぇ、お前って…女じゃないの?」
【驚きのあまり、言葉が出ない】とは、
まさにこういう時に使う言葉なんさね。
なんて、冷静に現状を分析しているオレはラビ。
あのパンダジジイこと、【ブックマン】の後継者さ。
あ、【ラビ】ってのは、オレの49番目の名前な?
ちなみに、48番目の名前は【ディック】って言うんさ。
え、聞いてない? ま、覚えておけって。
で、冒頭の意外過ぎる台詞を吐いた男は、
【快楽】を司るノアこと、ティキ・ミック卿。
たった今、このオレに告白してきた男。
そう、オレもこいつも男。
そんな、オレと同じ男であるこいつの
「ラビが好きだ」という発言に、「オレは男さ」と返した結果、
冒頭の台詞が返ってきた、というわけ。
「オレ…女に見える?
つーか、【ブック"マン"】なんだから、どう考えても男さ。
女だったら【ブック"ガール"】になっちまうだろ」
オレの当たり前な発言に、目の前の男は眉間に皺を寄せながら、首を傾げる。
あぁ、そういえば、この男は学無しなんだった。
男は"man"、女は"girl"なんて、分かりっこなかったさ。