ジャンル混合
□花言葉50のお題企画(後半戦)
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50.ごぼう(幸真)
バキッ…!
「かはっ…!」
「ハハッ、良い表情だよ、真田」
「幸村…」
2人しか残っていない部室で
毎日繰り返される、幸村から
真田への激しい暴力。
幸村は笑い、真田は歯を食いしばっている。
幸村は真田を痛めつけ、真田はそれを
文句ひとつ言わずに受け止める。
「真田はいつも堂々としているから、
痛みに歪んだ顔がよく似合うよ」
「幸村…お前は自分の辛さから
逃げ続けているだけだ…!」
「うるさいなぁ。別に今は喋らなくて良いよ」
「…グッ…!」
幸村の右足が真田の腹部にめり込む。
痛さと衝撃のあまり、
真田の口から胃液が零れ落ちる。
胃の中に入っていたはずの食べ物は
とっくのとうに吐き出されて床に零れている。
「俺は逃げているわけじゃない…
苦しみから逃げたくてこんなことを
しているわけじゃないんだ…!」
再び繰り返される真田への暴力。
幸村が現実から逃げ続ける限り、
終わることはないのだろう。
(いじめないで)
→あとがき。