ジャンル混合

□花言葉50のお題企画(後半戦)
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34.ヒーザー(アスカカ)





「なぁアスマ…俺は怖いよ」



情事後のベッドの中、タバコをふかしている
アスマに向かって、カカシは呟いた。
そんなカカシの頭を、アスマは後ろ手に撫でた。
その手の動きに身を委ね、カカシは気持ち良さそうに目を閉じた。



「俺は家族はおろか、友人に先生…大切な人達を皆亡くした。
 俺だって忍である以上、いつ死ぬのかなんて分からない。
 そして、それはアスマ、お前も同じだろ…」
「あぁ、そうだな…」
「だから俺は怖いんだ、アスマまで亡くしたら、
 俺は一体どうすればいいんだ…」



カカシはアスマの背中にぎゅっ…と、しがみついた。
そんなカカシを受け止めるアスマ。



アスマには紅という相手がいて、
彼女のお腹の中には2人の子供もいる。
しかし、それは表での話でしかない。
裏でのアスマはこうしてカカシと共にいる。
おそらく、紅のことだ。
そのことに気付いているのかもしれない。
しかし、そこであえて何も言ってこないのは、
自分の気持ちよりもアスマの気持ちを
第1優先としているからだ。
カカシとアスマがお互いを必要とし、
大事にしていることを紅は知っている。



「大丈夫だ、俺はどこにも行かねぇ」
「約束だからな」
「バーカ。忍に約束なんてねぇよ」



冗談のように笑顔で話すアスマが
亡くなったのは、この日の翌日であった。





(孤独)





→35.マーガレット(沖土)
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