ジャンル混合

□花言葉50のお題企画(前半戦)
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23.ダイヤモンドリリー(青黄)





「なーんか…実感湧かねぇな」



ボールを人差し指でくるくる
回しながら、青峰はポツリと呟いた。



「確かに…でも、もう俺達卒業なんスね」



横に立っている黄瀬が
その呟きにポツリと返答する。



今日は帝光中学の卒業式である。
大抵の卒業生が玄関先で待機していた
後輩達と最後の交流をしている。
だが、それはあくまで
【大抵の卒業生】の話であって、
勿論例外も存在する。



この青峰と黄瀬の2人のように。



青峰と黄瀬はある程度後輩達と
関わった後、こっそりバスケ部や
ファンの子達の輪から
抜け出してきたのだ。
抜け出す時に赤司と黒子には
気付かれてしまったが、
2人は何も言わなかった。



そして、今に至る。
2人はバスケ部の部室に来ていた。



「今日でこの部屋ともお別れっスね」
「だな。お互い高校も違ぇし、
 ここで会うことは無くなるだろうな」
「うぅ…なんだか寂しくなって
 きたっスよぉ…青峰っちぃ…」



話している途中から黄瀬は
鼻水を啜りだし、最終的には
涙をボロボロ零し始めた。



「おいおい、別に永久の
 別れじゃないんだぜ?」
「でも…青峰っちとは
 敵になっちゃうっス…」
「敵ねぇ…まぁ間違っちゃいねぇが…」



そこまで呟いて、青峰は
黄瀬の頭を思い切り掻き回した。



「ちょ、何するんスか…?!」
「敵は敵でも、俺とお前は
 【好敵手】になるんだよ。
 次同じコートに立つ時は
 【好敵手】としてだ。
 だからいつまでも
 ショボくれてんじゃねぇよ」



お前なら、俺の最高の
【好敵手】になれるって
信じてるぜ。



青峰の言葉を聞き、黄瀬は
「当然っス!」と笑った。





(また会う日を楽しみに)





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