ジャンル混合
□大好きだよ
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確かに、ティキの言う通り、オレは素直じゃない。
それは昔から自覚してる。
世の中、素直な心だけじゃ生きてけないんさ…
特に、【ブックマン】は。
ただ、ジジイには怒られるだろうけど、
オレは四六時中無心ではいられない未熟者だから。
「オレ、ラビが男でも、好きなことは変わらないよ?」
驚いていたのは一瞬だったようで。
さも当たり前のことのように、言葉を紡いでくる。
しかも、オレの望む言葉を…
「でさ? ラビは…」
ティキの言葉が紡がれる度に、オレの鼓動はどんどん早まっていく。
そのうち、破裂しちまいそうさ。
するはずないのは分かってるけど、
それくらいに胸が高鳴っている。
「オレのこと…好き?」
少しばかり、恐る恐る聞いてくる。
こんな、女に困ることなんて無いであろうイケメン男でも、
告白の返事を問う時は、恐いんだな…
なんて考えたら、無意識の内にオレの顔も熱を帯び始めて…
返事なんて…もうとっくに決まってるさ。