●ブルマ×悟飯

□瓦礫の中で
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エイジ772年―――かつての巨大な都市が、瓦礫と死体だらけになった―――。
2人の人造人間に全てを破壊され、夢も希望も打ち砕かれた―――。

「悟飯さん、頑張って!もうすぐ家だよ!」
幼いトランクスは負傷した悟飯抱え、ブルマの待つ自宅へ向かっていた。

(どうしたら…勝てるんだ…)
凄まじい強さの人造人間に、絶望的な戦いを挑む戦士は―――サイヤ人の血を受け継ぐ悟飯とトランクスしかいなかった。

(このまま…死んでしまうのか…。お父さん…僕はやっぱり泣き虫の悟飯のままでした…)
朦朧とした意識の中、懐かしい人々の顔が浮かんできた。
お父さん、ピッコロさん、クリリンさん、ヤムチャさん、そして…
「悟飯くん!死んじゃダメ!生きるのよ!」
ボクの目に、紫色の髪をした大好きな女性…ブルマさんが写った。
(ああ…そうだ…ボクはまだ死ねない…)
僕はニッコリと微笑んだ。


7年前―――誰よりも強かった父が心臓病であっけなく亡くなってしまい、悲しみに暮れる日々を母と二人で過ごした。
時折人造人間の噂を聞くことはあったが、母が戦うことを許してくれなかった為、遠い世界のように感じていた。

3年前のある日、ブルマさんが幼い子供を連れて僕の家にやってきた。
「都はどうだべか?」
「大変よ…。ヤムチャやクリリンも頑張っているけど、全く歯が立たないわ…」
「都は危ねえから、ここで暮らさねえか?」
「ありがとう。でも、あたしは都で戦うわ」
ブルマさんは人造人間を倒す為、ずっと研究を続けていた。
「悟飯くんにお願いがあって来たの」
「僕に出来ることなら何でも協力しますよ」
「この子を鍛えてほしいの」
「?」
「あたしの子供よ。トランクスっていうの」
「え?」
「父親はベジータよ」
「ベ、ベジータさんの?」
「ええ。もうすぐ3歳になるわ」
驚きとショックで、僕は絶句してしまった。
(大好きなブルマさんが…とうとう子供を産んでしまった…)
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