所詮選択肢の一つですから。

□所詮選択肢の一つですから。Y
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『…嫌いなら、はっきり言えばいいだろ』
『そんなことはないけど、…でもね私は…』






どうしてか、私はいつも男役。
身長はそんなに高くないし、大体声も低いわけじゃない。
男性部員もちらほらいるのになぜか私。
まぁ男子の殆どが練習に全く顔を出さないのが一番の理由なんだろうけど。







『でもね、もう…一緒に入られない』
『…』
『私はもう…ごめんなさい、耐えられないよ』








さすが部長、目に涙が溜まっている。
演技力だけは本当に尊敬する、後輩たちも真剣に見詰めている。
あんまり活動していないのに存続しているのは、多分個人の演技力があるからだろう。
来てない奴も、出来ないわけじゃないから。








『…わかった』
『っ、…さよなら、』
『ああ』








うわ、本気で泣いてる。
目を閉じた、私もこんな風に別れを告げればいいのだろうか。
いやもう、告げられたようなものだと思うけど。






「さて、次」
「…泣きながら仕切らないでくださいよ」
「こら、微妙に敬語!」
「はいはい、すいませんねーはいつぎー」
「ちょっと真剣にやんなさいよ!あんたも泣くんだからね!」
「…え、そんなシーンあった?」
「さっき作った」
「はぁ!?」









ちょっと哀しい雰囲気に包まれたが、一蹴された。

なんで、私泣けないよ!?
目薬!?
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