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□ずっと一緒にいたかったね。なんてね。
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――昔、人は天にまで届くような、
高い高い塔を建てようとした。
木々を組み合わせ、煉瓦を重ね重ね。
天辺まであともう少し、
というところで、
神は彼らを傲慢であると看倣し、怒り、
雷を下した。
塔は崩れ去り、
世界は散り散りになった。
人々は散り散りになった。
言葉は散り散りになった。
通じない、伝わらない、分かり合えない。
だが、
どれだけ苦しもうとも、
痛みに身をよじらせながらも、
嘆きの果てに何も得るものが無いと分かっていても、
人は天を目指す事を止めたりはしない。