小市民狼と情報屋狐

□狼の推理
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「奈倉さん」
 
 
 
 
 
「あなた、肋骨を折ってなんかいませんよね」
 
 
 
 
 
するり、と奈倉の手元から滑り落ちそうになったスプーン。
 
 
驚愕に見開かれた奈倉の瞳に映っていたのは、優しくふんわりとした笑顔の乃良。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
――ああ、そうさ。
 
 
――俺は彼女を侮っていた。
 
 
――彼女の情報を得て、俺が彼女より上だと思い込んでいた。
 
 
 
 
 
――でも、世界は広いね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
――俺より何枚も上をいく子がいるなんて……さ。
 
 
 
 
 
 
 
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