何て事はない

そう

只、死んだだけ




飽きていた

昔から

ずっと昔から





飽きていた



小さい頃から目付きが悪く

年上の奴等に何時も引っ張られた



最初は痛くて

何も分からなくて

沢山泣いた




そんなある日

何回目になるか分からないイチャモンで引っ張られた時、ふと思った











何で自分だけがこんな痛いめに遇わなきゃならない


その時の自分は堪らずその事を問いただした

そしたらアイツら笑いながら言っていた








理由なんかねぇ


その言葉を聞いた時初めて人に手を上げた




気がついたら皆倒れてて、自分の手が震えてるのが分かった



次第に身体全体に震えが回りきりそうになった時の俺はガラスにハッキリ映っていた













とても

楽しそうだった


それから俺は毎日と言っていい程ケンカに明け暮れた

時には連れられ

時には自分から



そうしている内にいつの間にか高校生2年になる時には



とか


化物
とか


猛犬
とか



とか




色々言われていた

周りは皆避けて、近付いて来た奴は殺しに掛かって、そんな事している内にいつの間にか誰も俺を見ようとしなくなった。

同級生も

ヤンキーも

教師も

知り合いも

両親も






誰も俺を眼にいれようとしなくなった


構わなかった

悲しくなんてならなかった

昔から
 
俺はそうして生きて来たから

だから、分からない


何故自分が人を助けたのか

いつも通り人が避けるのを何も感じない俺はたまたま公園にいた



その時も周りの人間は距離をとり

俺を汚い物質を見る眼で見ながら陰口を叩く




そんないつもの日常にも我慢の限界がきていた



ツマラナイ

話し掛けてくる奴もいない
ケンカを仕掛けてくる奴もいない




俺と向き合おうとするやつもいない

いつも1人



ツマラナイ

退屈

飽きた

憂鬱




どんなに言葉を並べても何も変わらない

いっそ何もかも無くなってしまえばいい




そんな事を考えている自分が馬鹿らしくなって、座っていた公園のベンチから立とうか、そう思い前を向いた時

目の前に子供がいた

その子供は笑いながら俺にこう言って手を差し出した







『アメ、あげる!』


俺の手の平にアメを一個置いてった子供はそのまま笑いながら走っていった

恐らく帰る時に俺を見付けたのだろう

俺の横を通り過ぎていった

懸命にこちらに屈託のない笑顔で笑いかけながら

懸命にこちら千切れんばかりに手を振りながら










大型トラックの迫り来る道路に向かって











走り出したら止まらないとはよく言ったものだ

気付いた瞬間(とき)には視野イッパイにタイヤがアップで映っていた





良かった




正直思っていた

退屈な毎日から抜け出せた事


こんな自分でも人を助けられた事



何年ぶりかに



笑えた気がした



















気が付くとそこは知らない部屋だった


数人の男女がいて

なんか怒鳴って

頭が把握しきれなく、声を出しかけたとき









目の前の黒い球体に目がいった

何故なら



黒い球体の表面に



文字が







浮かび上がったからだ
















『がん…つ?』



〜To be ****〜

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