夢
□帰り道
1ページ/3ページ
「あ!妖さん」
真っ暗な校門付近、前方にクラスメイトを発見した。
私が声を掛けると、彼は足を止めてゆっくりとこちらを振り返った。
「おー、何やってんだお前」
「部活だよ。文化祭もうすぐだからスパルタ」
よかった。
今日はおばあちゃん北海道旅行でいないし、
毎日友達のところに転がり込む訳にもいかないから、家帰らないといけない。
このまま一人で暗い中帰って、暗い家に入るなんて嫌だし。
これで少し一人でいる時間が減るよ。
「えらい機嫌いいな」
「そおっすか?えへへ」
妖さんに会えたから、と素直に言ったら鼻で笑われた。
誰でもいいんだろ。
…そーだね。
そう言われれば、友達なら誰でも嬉しいかもです。はい。
「でも引ったくりとか無理」
「んなのと比べられてもな」
「妖さん家はどの辺?ちなみに私は左折派」
「…俺も」
最近マジで出るらしいね、引ったくり。
お前盗られて困るようなもん持ってんのかよ。
妖さんのは盗って困る物が多そうだね。
妖さん達は文化祭何かするの?
しねー。あー、宣伝はする。