□帰り道
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「あ!妖さん」


真っ暗な校門付近、前方にクラスメイトを発見した。
私が声を掛けると、彼は足を止めてゆっくりとこちらを振り返った。




「おー、何やってんだお前」

「部活だよ。文化祭もうすぐだからスパルタ」


よかった。

今日はおばあちゃん北海道旅行でいないし、
毎日友達のところに転がり込む訳にもいかないから、家帰らないといけない。

このまま一人で暗い中帰って、暗い家に入るなんて嫌だし。
これで少し一人でいる時間が減るよ。



「えらい機嫌いいな」

「そおっすか?えへへ」


妖さんに会えたから、と素直に言ったら鼻で笑われた。


誰でもいいんだろ。
…そーだね。
そう言われれば、友達なら誰でも嬉しいかもです。はい。


「でも引ったくりとか無理」

「んなのと比べられてもな」


「妖さん家はどの辺?ちなみに私は左折派」

「…俺も」


最近マジで出るらしいね、引ったくり。

お前盗られて困るようなもん持ってんのかよ。

妖さんのは盗って困る物が多そうだね。

妖さん達は文化祭何かするの?

しねー。あー、宣伝はする。
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