星屑の英雄たち
□ＧＡＴＥ ＯＦ ＨＥＡＶＥＮ
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王城のマシントレーニングルームに、規則正しい機具の軋む音と、呼吸音が響く。
「進、瀬那ちゃんからメール来てたよ」
すらり、とした長身の桜庭がノートパソコン片手にトレーニングルームに入ってくる。
「瀬那ちゃんからのメール、読み上げるね」
ベンチプレスのベットに座り、膝の上でノートパソコンを開く。
「えっと、“…進さん、応援ありがとうございます。この間、ペンタゴンのクリスホォードさんとバットさんに、パンサーくんのでている、ＮＦＬの試合を見に行ってきました。やっぱりプロの試合は勉強になります。あたしはまだまだ足元にも及ばない存在だと、再認識しました。進さんが、対戦したい、と思える選手になれるよう頑張ります”だって」
にこにこ笑う桜庭を一瞥した進は
「そうでなくては困る」
と懸垂を再開する。
そんな進に桜庭は小さく笑うと
「見送りに来てもらえなかったから、嫌われたのかと思ったって」
「！」
思わずリズムを崩し、懸垂バーから降りてしまう。
「ちゃんと理由は送っといたから、心配しなくてもいいわよー」
くすくす笑う桜庭を、無表情なまま進は睨んでいた。「そんな顔したって、自動改札機壊した事実は変わらないからね。またメール来たら読み上げてあげるから。」
本当は瀬那のメールの最後に
“日本に帰ったときは、迎えに来てもらえますか？”なんてあったけど、おしえてあげない。また自動改札機壊されたら困るからね