Novel:Blue
□+優しい雨+
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+優しい雨+
雨音が耳について、どうにも寝付けない。
明日、いや、今日は久々にお前に会える日だというのに。
「午前2時か…」
しんと静まり返った部屋に、アイズの声だけが響く。
ベッドから這い出して、カーテンをあけて空を見上げる。
いつの間にか雨足は速まり、そして過ぎ去ったようだった。
今はきらきらと星が一面に瞬く、漆黒の夜空だ。
「………」
アイズは自嘲するように声もなく笑う。
「寝不足なのは、お前のせいだ。」
そう言えば、きっと驚いて、理不尽だというだろう。
その姿が目に浮かぶ。
アイズはベッドに戻ると、幸せな気持ちで目を閉じた――
+fin+