Novel:Blue 3
□+fall+
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「いたっ…!」
こつっと何かが自分の頭に当たり、思わず声を上げてしまう。
警戒しながら頭上に目をやり、濃い木々の緑に眉をひそめた。
「当たったのは、これだと思いますよ」
細身の体躯を屈め、何かを拾い上げた久藤くんに、私は涙目で恨めしげに呟いた。
「団栗…ですか」
なんで。どうして。私ばっかり。
他の人に当たれとは言わないけれど、狙ったように私目掛けて落ちてこなくたっていいじゃないですか。
「絶望した!」
久藤くんは道端にしゃがんでめそめそする私の頭を優しく触り、腫れていないかと確かめる。
そうして数回宥めるように撫でた後、仕上げと言わんばかりに団栗が当たった箇所にキスを落とした。
+fin+