Novel:Blue 3

□+fall+
1ページ/1ページ



「いたっ…!」


こつっと何かが自分の頭に当たり、思わず声を上げてしまう。
警戒しながら頭上に目をやり、濃い木々の緑に眉をひそめた。


「当たったのは、これだと思いますよ」


細身の体躯を屈め、何かを拾い上げた久藤くんに、私は涙目で恨めしげに呟いた。


「団栗…ですか」


なんで。どうして。私ばっかり。
他の人に当たれとは言わないけれど、狙ったように私目掛けて落ちてこなくたっていいじゃないですか。


「絶望した!」


久藤くんは道端にしゃがんでめそめそする私の頭を優しく触り、腫れていないかと確かめる。
そうして数回宥めるように撫でた後、仕上げと言わんばかりに団栗が当たった箇所にキスを落とした。



+fin+

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ