Novel:Blue 3

□+甘美な幸せ+
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「あおやまー」


寒くなってくると芳賀は人恋しくなるようで、僕に引っ付いてくる回数が他の季節に比べて3割増しになる。
TVゲームをする僕の背中にぴったりと寄り添って、芳賀の右手が心音を確かめるように僕の左胸に当てられた。


「寒いなら温かい飲み物でも持ってこようか?」


ダンジョン前でセーブをして電源を切り、白々しくそう言って立ち上がろうとすると、回された腕がしっかりと僕の腰を抱え込んでそれを阻む。


「…いらない」


僕は声を出さずに小さく苦笑すると、ガッチリと巻きついている腕を宥めるように撫で摩った。


「じゃあ、何が欲しいの?」


返事代わりに首筋に柔らかい感触が押し当てられた後、ぴりっとした痛みが走り抜けて思わず声が漏れてしまう。
首元に擦り寄ってきた芳賀の熱を帯びた吐息が耳を掠め、これからの行為を想像させる気配に身体が熱くなった。


「青山…しよ?」


情欲を滲ませた声音に気怠げに求められ、ゾクゾクと背筋から脳まで期待に痺れてゆく。
芳賀は普段からマイペースというか、だらしない奴だけど。
そこに自分が加わった瞬間、芳賀の色香がグッと増すときがある。
僕を余裕なく欲しがる芳賀の、激情を秘めた空気が堪らなく好きだ。
服を捲られ、素肌を這い回る手に我慢できず、僕は恍惚とした気分で嬌声を零したのだった。



+fin+

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