Novel:Blue 2

□+恋のあいまに+
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「高町先輩、これ使ってください!」


部活も終わり手洗い場で顔を洗っていると、溌剌としたトーンが流れる水の音に混じって亮子の耳に届いた。ぽたぽたと水滴が火照った頬を滑る。薄く瞳をあけて、差し出されたタオルを受け取った。


「ありがとう」


そう礼を言えば、陸上部の後輩ふたりは顔を見合わせて微笑んだ。このふたりは仲がよく、大抵一緒にいるなと微笑ましく思う。


「高町先輩、一緒に帰りませんか?」
「ああ…」


ふい、と亮子はさりげなく上を向く。薄闇に包まれた校舎の一角、人工的な光が煌々と窓から零れていた。


「悪い、教室寄って帰るから」
「そうですか…」
「じゃあ先輩、また明日部活で!」


談笑をしながら去っていくふたりを見送って、亮子は足元に置いた鞄を肩にかけて校舎へと向かった。


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