Novel:Blue 2
□+真昼の小鳥+
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+真昼の小鳥+
「おい、こんなところで寝ないでベッドで寝ろ。俺、座れねーから。」
そう言って貴女の肩を軽く揺さぶる香介。
ソファに横たわる貴女は瞳を擦りながらも、夢現を行ったり来たりしているようで全く退く気配がない。
眠気にたゆたう心地よい感覚を手放すのが惜しいのだろう、くぐもった息を漏らして答えともとれないような声が返ってきた。
仕方ねえな、と面倒臭そうに呟いて手を伸ばした刹那、瞳を閉じたまま起き上がった貴女。
そうしてぽんぽん、と自分の隣を叩く。
座れ、ということなのだろうか。
意味を汲み取った香介は大人しく腰を下ろす。
すると貴女は香介の肩に凭れかかり、そこから滑り落ちるように香介の腿へと倒れ込んだ。
再び夢の世界へ旅立ってしまったようで、すうすうと安らかな寝息が聞こえてきた。
「ったく…」
男としてみられていないのか、信頼されているからなのか。
まあ何も考えちゃいないのだろうけど、と小さく苦笑して、そっと貴女の髪を優しく梳いてやる香介であった―――
+fin+