Novel:Black
□+再確認+
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「……連れに、何か?」
『!香介…』
香介が現れると、男は途端に口を噤み、それからすぐさま逃げるように、慌てて踵を返した。
男が去った後も、驚いて香介を見つめたままの亮子。
「……くそっ。」
自嘲気味に呟くと、香介はぐいと掴んだままだった亮子の腕を引っ張った。
『香介っ!?』
「ごめんな、待たせるんじゃなかった…」
若干苛立った声音。
それを聞いた亮子は、くすくすと笑う。
『……馬鹿。』
今日の遅刻は、反省しているようだから許してやろう。
早足で先を歩く香介の背中に、亮子はそう思うのだった。
+fin+