Novel:Black
□+タブレット+
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僕の腰にぎゅううっと腕を巻きつけてご満悦な芳賀。勿論二人きりの時は嬉しいけれど、今は教室を掃除中なわけで。正直、ちょっと困る。
「もういい加減離れようよ、芳賀…」
「いいじゃん、俺らの他に木野と久籐しかいないんだし」
「掃除しない以前に、箒すら持たずにいるのはどうかと思う」
「じゃあ掃除頑張ったらご褒美くれる?」
「えー、だってそれが当たり前だし…」
きらきらと期待を瞳に湛えられ、じっと見つめられる。僕はその輝く視線に耐えられなくなって、ふいと横を向きながらしぶしぶ了承した。
「俺も! 俺も掃除頑張るからご褒美欲しい!!」
「わっ、びっくりした」
「木野まで…」
ああもうわかったよ、と僕が観念するのを確認した二人は、張り切って掃除に取りかかろうと駆けて行った。埃が舞うから教室内は走るなって!
ご褒美をください!
「青山! 掃除終わった!!」
「俺もゴミ捨てしてきた!!」
「あー、二人ともよく頑張りましたねー(棒読み)。それじゃご褒美です。ハイ○モンとヨーグ○ット、どっちがいい?」
「よっしゃあ!!俺、ヨーグレッ○がいい!」
「タブレットがご褒美!!?木野めっちゃ喜んでるし!!」
+fin+