Novel:Black

□+再確認+
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今日は休日とあって、街は賑わっている。
行き交う人々の間を、縫うように走り抜ける香介。



「やべえ、絶対亮子怒ってるな…」



ちらりと手首の時計を見やれば、とうに待ち合わせの時刻は過ぎている。
一応メールで遅れる、とは連絡をいれておいたものの、返事が返ってこない。


膨れっ面の彼女が目に浮かぶ。
骨を折られるまではないにしても、殴られるか蹴られるかは覚悟しておいた方が良さそうだ。





目的地の駅前が見えてきたところで、香介は走る速度を落とした。
栗色のショートヘアの女性、栗色の…



「お、いたいた。」



近づきつつ、表情を窺う。
普段とあまり変わらない様子で、誰かと喋っているのが見て取れた。
亮子の視線を辿ると、彼女より少し背が低めの男が何か話しかけている。





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