おたから

□もしも あした 
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もしも明日、この世界が崩壊してしまうなら
私は何をするだろう
あまりにも暇だったのでそんな事を考えていたら兵助に会ったので聞いてみた

もしも明日、この世界が崩壊してしまうなら何をするか


「多分、部屋の掃除する」


意外に面白い返答が来た














もしも あした













もしも明日世界が崩壊する、って時に何故部屋の掃除なのか
そんな事を考えながら兵助と並んで廊下を歩く

兵助は自分で言っておきながらなんで部屋の掃除するかはわからないそうだ
面倒くさい奴だまったく


「テスト前になると掃除したくなる心理?」

「あ、それかも」

「何だよ、お前も掃除か?」

「まさか、俺はめいっぱい食ってめいっぱい遊ぶよ」

「だろうな」


後ろからポンと肩を叩かれて振り返ればそこには勿論ハチ
話しながら廊下を歩いていたから聞いていたのだろう、話の粗筋を話す間もなく会話に参加してきたハチを真ん中に入れて3人で廊下を歩き始めた
目的とする場所は打ち合わせていないはずだが
3人共示し合わせたように私の部屋の方に歩いた

打ち合わせなくたって3人揃ったらもう1人居ないとおかしいだろう


「寝てる間に崩壊してほしいな」

「どうして?」

「苦しいのとか嫌じゃん」

「そうか?私は見てみたいな、世界が崩れるその瞬間」

「三郎は生き残りそうだ」

「ゴキブリだもんな三郎」

「怒るぞ」

「どうぞー」

「このクソ豆腐!」

「何で俺だよ、ゴキブリって言ったのハチだろ!」


後5歩くらい歩けば部屋につくってところで
部屋の障子が開いて雷蔵が顔をのぞかせた


「どうした雷蔵?どっか行くのか?」

「3人を探しに」

「そっかそっか」

「3人でどこか行くのかい?」

「雷蔵の所に」

「なるほど」


笑顔の雷蔵に迎えられて部屋の中に入るといつもどおり
何故かそれぞれがいつもの決まった場所に腰を下ろす


「もしも明日、世界が崩壊してしまうなら雷蔵は何をしたい?」

「明日?そりゃまた急な話だな」


机に片肘つきながらううんと少し上を見て考え始めた雷蔵は
ああでもないこおでもないと呟きながら、なんだか長くなりそうな予感だ

そう思っていたら案外雷蔵の答えは早く導き出された


「宴会でもしようか」


人差し指を立てながら笑顔で言った雷蔵を全員で見つめて
その後お互いに顔を見合わせた

皆案外普通のことをしたがるもんだ


「おいしいお酒と肴
三郎と、兵助と、ハチと、それから僕の4人で居られるってんなら僕は別に明日滅んだってかまわないよ」

「雷蔵好きだ!大好きだ!!」


ハチに飛びつかれて机に肘をぶつけた雷蔵の悲鳴が部屋に響く
兵助を見てみれば手が少し浮いている
自分の体制を見てみると兵助と同じ体制だった

完全にハチのスタートが早かったようだ


「な、何だよハチ!痛い痛い痛いっ!!」

「ああもうクソ!大好きだ馬鹿野郎!!」

「好きなら馬鹿とか言ってくれるな!」


ぎゃあぎゃあとじゃれあい始めた2人を見て
私より先に兵助が動いた


「雷蔵が痛がってんだろハチ!!」

「何だよ兵す、いだだだだだだっ!!」

「いいぞ兵助!頑張れ兵助!!
いだだだだだ!ハチ痛い!!絞めてる、絞めてる!!」









もしも明日、世界が崩壊してしまうのなら
私は何をするだろう









「どけお前ら!そこは私の指定席だ!!」

「いーたーいー!!三郎足ちぎれる足本気でちぎれる!!」

「あ、ごめん兵助、毛が抜けた、わさっと」

「ハチのド阿呆!!」









多分、こうして
このままの私で、私たちで世界の終わりを迎えるんだろう









「もー!何だよお前らー!!」

「何だよじゃないよ雷蔵が好きなんだよ!」

「愛が溢れてんだよ!」

「雷蔵好きだー!!」

「グーで殴るから全員そこに並んで正座しろ!!」


3人横一列に並んで雷蔵に頭を殴られながら少しだけ笑ったら
何笑ってんだと私だけ2発殴られてしまった

いつ滅ぼうともこのまま4人で居るのなら
最後の日に何をするかなんて考える必要はまったくなかったって事だな





もしも明日世界が崩壊してしまうなら
アナタは何をしますか










…END…










・・・・・・

ちょっ!どうですか?!この素敵過ぎるお話!!萌えがたぎりますよね!!
服宮さま!転載許可ありがとうございます!そして、弐万打オーバーおめでとうございます!!

※こちらからの転載は固く禁じておりますのでご遠慮ください。

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