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□愛したいはずなのに
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「だから、ティキは俺だろ?」


「………あなたはティキじゃ、ないよ」





愛しくて愛しくて、一緒にいたかったティキはもう、いない。








「ティキはしんじゃった」


「ここにいるのに」


「あなたは、だれ?」







ティキと同じ顔で。
ティキと同じ、声で。


ティキと同じ、笑顔で。








私の頬に触れて、髪に触れて。
その指さえ、ティキと同じなのに。





「っ、やだ、触んないで、」


「ひどいなぁ、こんなに想ってるのに」


「っ、どうして、」






綺麗に笑う、ティキは。


あの頃と同じ、私の大好きな笑顔で。
それでも違うんだ、私が愛したティキはもう、いなくて。



どうして消えてしまったの。
どうして、私を置いて行ったの。


置いていかないって、約束したはずなのにね。









「おいてきぼりは、やだよ」







連れてって、くれればよかったのにね。













愛したいはずなのに
(ほんとは、わかってた、現実から目を反らしてるだけだった、)
(何もかも同じなはずのあなたの愛を、私は受け入れられないままで、)














(あなたが、わからないよ、)
(ほんとはわかってたんだ、ティキはティキだってこと、)
(それでも、)











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