「だから、ティキは俺だろ?」
「………あなたはティキじゃ、ないよ」
愛しくて愛しくて、一緒にいたかったティキはもう、いない。
「ティキはしんじゃった」
「ここにいるのに」
「あなたは、だれ?」
ティキと同じ顔で。
ティキと同じ、声で。
ティキと同じ、笑顔で。
私の頬に触れて、髪に触れて。
その指さえ、ティキと同じなのに。
「っ、やだ、触んないで、」
「ひどいなぁ、こんなに想ってるのに」
「っ、どうして、」
綺麗に笑う、ティキは。
あの頃と同じ、私の大好きな笑顔で。
それでも違うんだ、私が愛したティキはもう、いなくて。
どうして消えてしまったの。
どうして、私を置いて行ったの。
置いていかないって、約束したはずなのにね。
「おいてきぼりは、やだよ」
連れてって、くれればよかったのにね。
愛したいはずなのに
(ほんとは、わかってた、現実から目を反らしてるだけだった、)
(何もかも同じなはずのあなたの愛を、私は受け入れられないままで、)
(あなたが、わからないよ、)
(ほんとはわかってたんだ、ティキはティキだってこと、)
(それでも、)