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□愛は罪を犯すもの
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*エロ、微グロ注意
*若干ネタバレ有





あなたは根っからの遊び人だと思う。





「サトーさん、次はなんのゲームをするの?」

「やあ名無しさん、…さあ、なにがいいかねぇ」


夜の帳が下りる頃。貴方はわたしの待つ部屋へと戻ってきて。心なしかいつもより楽しそうにしていたから、また何かいいゲームでも思いついたのかと尋ねる。


貴方はいつも微笑みを絶やさなくて、物腰が柔らかくて。けどほんとはただの遊び人。快楽主義者、というよりは遊び人、というのがしっくりくる気がする。


「サトーさん、楽しそう。いいおもちゃでも見つけたみたいに」

貴方は子供みたいに無邪気だ。時にそれは残酷とも思える程。


「次はわたしも連れてってね?」

「考えておくよ」


上着を脱いで、ソファーの背もたれにかける姿を見届けながら笑う。貴方の考えておく、を何度聞いたことか。


「いじわる」

「そんなことはないさ」

ぎしり、とベッドのスプリングが音を立てる。サトーさんのごつごつとした手がわたしの頬に触れて。


「退屈はイヤよ」

「おやおや、姫はもう飽きてしまったかな?」

「貴方には言われたくなかったわ」


がり、と無骨な手首に噛み付く。血が滲んだそこに、舌を這わせて。


「随分だなぁ」

「もっと酷いこと、いつもわたしにするくせに」


言葉と、表情が一致しない。それはいつもの事で、この微笑みと優しい声色に一体どれ程の人が騙されただろう。本人はそれさえゲームにしてしまうから難儀なものだ。


「わかった。次は名無しさんも連れていこう」

ほんとか、嘘か。よくわからないのもいつものこと。大概気まぐれなのだ、貴方にそれを言えばキミほどではないよ、なんて返ってくるだけだろうけど。


「さて、退屈している姫を楽しませてあげようか」


ぺろり、と、滲んだ血を舐め取ってから、わたしの手首を掴んで。引き寄せられる。噛み付くように口付けられれば、ゲームの始まり。


「っ、ん、」


がり、と、お返しかのように首筋に噛み付かれて痛みが走る。痛みさえ快楽になったのはいつからだったか。


「綺麗だ」


押し倒されてベッドに沈む。真っ赤な血が滲んでいるであろうそこに、舌を這わされて。


「っ、あん、」


するりと胸元に差し込まれた手が遠慮なく胸を揉みしだく。だんだんと下りていく唇はわかっているかのように噛み付いていって。


「んっ、だ、め、」

「好き、だろう?」


どこから出したのか、小型のナイフによって服とブラが引き裂かれる。どうやら今日は本当にいいことがあったようだ。揚々としているのに気づける者はきっと少ないであろう、その些細な違いを感じて。


「本当に血の映える綺麗な肌だ」

「っ、あ、っ!」




ツー…とナイフが肌を滑る。深くはないけれど、確実にそれは血を滲ませて。


「っ、サディスト、」

「キミが喜ぶことをしてるまで、だよ」



すでに濡れそぼった秘部に容赦なく指を突き立てられて、腰が浮く。こんなことをされて感じるわたしも大概おかしいものだ。長年の経験はたしかに快感として脳に伝わって。ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てて掻き回される。ぐりぐりと奥を刺されれば堪えきれない嬌声が漏れた。



「っ、い、やぁ、!」

「ゾクゾクするね、キミの声は」



容赦なく責め立てられて生理的な涙が浮かぶ。わたしのいいところなんてお見通しな彼はこんな時ばかり欲しいところに的確に刺激を与えてくれて。



「っ、うあ、っ、だめぇ、!」




呆気なくイカされて、足の先まで快感が走る。荒い息を整える間もなく、硬く反り上がったそれが当てがわれて。


「っ、まっ、て、」

「待たないよ」



心底楽しそうな顔。そう思ったのもつかの間熱に貫かれて体が仰け反った。


「っんあぁ、!」


あまりの質量に何度も貫かれているのに未だその圧迫感に目の前がチカチカする。もういい歳して、なんて脳裏を過ぎったけど次の瞬間にはそんな余裕はなくなって。



「っ、はぁ、!」


ぐりぐりと奥まで突かれて、ピストン。ビリビリと痺れておかしくなってしまいそう。がぶりと食されるように胸に噛み付かれればどうしようもない快感に襲われて。



「っ、好きだねぇ」

「っ、はあ、っん、!」



ごつごつとした手が、わたしの首に当てがわれる。ぐっと力を込められれば、酸素が肺に入ってこなくなる。ぱくぱくと口を動かしても酸素は入ってこなくて。


「っ、気持ちよさそうな顔だ」


苦しい。けれどこの上なく気持ちいい。毎回されるそれはまるで中毒のようにわたしを蝕んで。自分でも、彼自身をぎゅうぎゅうと締め付けるのがわかる。早まるピストンにどんどん高みへと押し上げられて。


パチン、と弾けて暗転。







「やあ、名無しさん」

「っ、サミュエル、また、殺したわね」




絶頂の瞬間はいつも、殺されてわたしは生まれ変わる。人間たちの中でも死にそうになる時が1番の快感を得られる、という人がいるけれど、死にかけどころのはなしじゃない。本当に殺されてしまうわたしはきっと、人間には味わえない快感を得てる。



「気持ちよかったろう?」


ニヒルに笑う彼を一瞥してその腕の中に収まる。首筋にキスを落とせばくつくつと笑われて。










愛は罪を犯すもの
(殺してあげよう、何度でも)
(キミが喜ぶのなら)


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