拍手SS

□全てが手の中にあるような
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花になれっ! アラジン














「いい加減、素直になったらどうだ?」





「私はいつでも素直だけど?」












とある、豪邸。






色とりどりに列べられ、切りそろえられたフルーツを尻目に、ベットの上で寛ぐの、は。








一国の王子、アラジンと、一人の女。







その衣服は、青色で。






一目で、大切にされているのだと、伺える。













「お前のためにどれほどの間第一夫人の座を空けていると思ってるんだ。」





「あら、頼んだ覚えはないけど?」













飄々とした態度で、軽くアラジンをあしらう。












「他に何が欲しいんだ?」












住む場所も、着るものも、食べ物、も。




遊ぶものさえ、最上級のものを与えていると言うのに。







この女は、何を欲しているの、か。














「べつに、何もいらないわ。」









貴方はまだ、気付かないのね。








気付くまで、教えてあげる気なんてさらさらないけれど。













「……面白い女だ。」





「それ、褒めてるのかしら。」














第一夫人の、座。






そんなものが欲しくて、貴方のもとにいるんじゃない。








ただ、欲しいのは。







貴方の、一途な、愛。









番号なんて、つけないで。









他の女なんて、抱かないで。







私だけを、見てくれたなら。












なんでも手に入る、そう思ってる貴方、へ。











他のものを捨てる覚悟が出来たなら。








私は、喜んで貴方に嫁ぎます。













全てが手の中にあるような
私だけは、特別にしてよ。
我儘だけど、貴方の一途な愛が欲しいの。










お題お借りしました。
ppp(五六様)


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