短編その2
□となり
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ふと、目が覚めた夜。
暗闇に慣れない目を凝らしながら、隣で眠る君の顔を眺めてみた。
少し夜が肌寒くなったこの季節、君は俺に寄り添うように身を預ける。
白い肌、細い身体、長い髪…
すべてが俺と正反対。
その髪にスッと指を通すと、指の間をサラサラと流れる。
それがなんだか楽しくて、気持ちよくて…そっと頭を撫でてみた。
『…ん、っ…』
君は小さく身じろぎをして、ギュッ…と俺に抱きつく。
…なんていうか…
可愛すぎ?
たぶん、君は気付いてないんだろうけど、さ。
俺、結構溺れてるかも…
『…けんた、ろ…』
無意識に小さく俺の名を呼び、俺の胸に顔を寄せる君。
あ…ダメだ。
すいません神様、俺、コイツが居ないと生きていけないみたいです…
end
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