00部屋その六

□おはよう、
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 首、脇、腹、脚。すべらかな掌が俺の体をなぞっていく。首、脇、腹、脚。飽きることなく動くその手を、俺ははっきりと思い浮かべることができる。
「ドタチン」
 そいつは、甘えたような声で、俺の名を呼んだ。
「起きなよドタチン、朝だよ」
 ねだるようなその声が愛しくて、わざと気付かないふりをする。それは気付かれているのだろう。くすくすと笑い声がした。
「ドタチン」
 瞼、眉、鼻、頬。今度は瑞々しい唇が、俺の顔を滑っていく。
 それが唇にたどり着いたとき、俺はゆっくりと目を開けた。
「おはよう、臨也」
 口移しで伝えると、大きな黒猫はぎゅっと俺に抱きついた。
「おはよう、ドタチン」






ノリで書いてしまいました! 茶葉さんにプレゼントします!

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